ステロイドと保湿剤を混ぜて処方されたら|混合剤に潜む2つのデメリット

ステロイド外用薬と保湿剤のヒルドイドの混合薬

皮膚科で処方される塗り薬で、ステロイド外用剤と保湿剤を
混合して処方される場合があります

具体的にはステロイド+ワセリンですとか
ステロイド+ヒルドイド・ソフトなどの組み合わせのことです

ステロイド外用剤は、よく効くけれど副作用が心配な薬です
正しい使い方をすれば、頼れる薬といえます

皮膚科で、ステロイドと保湿剤を混ぜた状態で処方されるのは
きっと、ステロイドを保湿剤を混ぜて薄めることにより
強さを和らげ、副作用も軽くなるという配慮なのかな?と
思われがちですが、実際はそうではないようです

ステロイドを薄めても、血管収縮効果は薄める前と変化しない
という実証結果もあります

また、混ぜることにより、もうひとつ変化が起こります

油分である、ステロイド外用剤(油脂性基剤)
油分と水性に近い、中間的な保湿剤(乳剤性基剤)

皮膚に浸透して角質層を潤す目的で作られた保湿剤にステロイドが
混ざると、ステロイドの濃度が薄くなっても皮膚の透過性が
増してしまうことがわかっています

原因は、油脂性(ステロイド)と乳剤性(保湿剤)の混合によるものです

また、保湿剤にはパスタロンソフト、ウレパールローション
ウレパール軟膏、ケラチナミン軟膏のように、尿素を配合したものが
あります

この尿素自体にも皮膚に吸収しやすくする性質・効果があります
浸透すること=よく効くこと
と思っていいものか?

また、万が一ですが医師が薄めているつもりで混合していて
強いステロイドを選んでしまっていたとしたら・・・と考えると
恐いものですね

ステロイド外用剤と保湿剤(保護剤)の混合の、メリット・デメリットを
あげると以下のようになります

■メリット

①保湿剤とステロイドが一度に塗れるので、手間が減る
②保湿剤は塗り伸ばしやすいので、ステロイドを塗りやすくする

■デメリット

①ステロイドを塗らなくていい部分にまで、強制的に塗らざるを得ない
②混合するときに雑菌が入りやすい

この2つのデメリットから言えるのは、混合剤はごく軽度の患者さんに
処方してはいけないのではないか?ということになります

理由は、ステロイドですぐ抑え、時期をみて保湿剤のみで管理できる
段階でも、いやでもステロイドを塗り続ける格好になってしまうからです
ステロイド塗り薬が別であれば、塗る回数や量の調整ができるのです

あと、雑菌が入ってしまうと薬が長持ちしないので、塗る量が少ないと
思われる軽度のアトピー肌の方は、使い切る前に薬が悪くなってしまうことも
考えられるからです

ステロイドと、ヒルドイドやワセリンなどの保湿剤を別々で処方される場合も
実際は私たちの肌(患部)の上で塗ったら混ざるわけですから
混合剤と同等の現象が起きているのだといえます

混合剤ではなく、ステロイドと保湿剤を別々で処方してもらった場合
どのように塗るのが正しいのでしょうか?

医者からは、保湿剤を塗りひろげて、ひどいところだけステロイド薬を
チョン、チョンと力を入れずに塗るように言われましたが、基本は
「塗布する面積の広い順から塗りましょう」ということです

つまり、ステロイド塗り薬と、保湿剤を別々で処方された場合
塗る順番は、保湿剤を先に塗り、そのあとでステロイドを塗る
という順番となります

正しい塗り方、できていましたか?

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