アトピー性皮膚炎は、かゆくて掻くことから
皮膚の感染症をおこしやすいので気をつけましょう
いわゆる合併症というものです
アトピーの皮膚は角質層が荒れ、バリア機能が低下してるので
細菌やウィルスが角質層をすり抜け、皮膚内部に侵入します
アトピーの肌は感染しやすい状態になっているのです
しかも、アトピーは強いかゆみを伴いますので皮脂膜を
ぼりぼりと掻き壊し、自ら感染しやすい状態にしがちです
アトピーの主な合併症を紹介します
■ 水イボ(伝染性軟属腫〔でんせんせいなんぞくしゅ〕)
伝染性軟属腫ウィルスが原因で感染します
イボの中心が、へそのようにくぼんでいます
子供がプールで感染することが多い病気ですが
大人にも感染します。アトピーの皮膚の状態は
菌が入りやすく健康な皮膚の人より移りやすいです
イボが小さいうちは痛みも少なく自宅で処置できます
やり方は、ピンセットでつまみイボの中身を出したあと
抗生物質の軟膏を塗るだけでよいです
病院に行くなら麻酔シートを使う病院をおすすめします
麻酔シートの使い方は病院へ行く日に貼っていくだけです
痛みもなく処置してくれるので、ありがたいです
■ とびひ(伝染性膿痂疹〔でんせんせいのうかしん〕)
とびひは大人にもうつる接触感染なので気をつけてください
症状は、かきむしった傷の周辺が赤くなり水疱ができて
膿んで汁が出てきます
アトピーも痒いけど、とびひは更に強い痛痒さがつらいところ
かゆくて掻き壊すと次々にただれて伝染していきます
とびひの感染から守るために大切なこと
・とびひの患部を触ったら洗う事
・とびひの症状がある人は必ず飲み薬を飲む事
・とびひの人と浴槽に一緒に入らない事
アトピーの方は引っ掻き傷や、掻き壊した傷があるため
お子様がとびひの場合、お風呂に一緒に入ってはいけません
■ カポジ水痘様発疹症(単純ヘルペス)
アトピーが原因の単純ヘルペスは40度近い熱がでます
口内炎や歯茎の腫れ、顔全体に感染することがあります
ピリピリした痛み、かゆみがあります
単純ヘルペスは感染力が強いので、直接的な接触のほか
ウイルスがついたタオルやグラスでも感染しますが
接触がないかぎりは感染しません
■ 角結膜炎
目の周りの湿疹がひどくなると目が半開きになり
細菌に感染しやすくなり角結膜炎を起こしやすくなります
目のアレルギーで特徴的なのは強いかゆみです
花粉やハウスダストが原因のアレルギー性結膜炎では
強いかゆみの他に、まぶたの裏側が盛り上がったり
充血や目やになどの症状が出ます
またアトピー性皮膚炎と合併することが多くあり
重症になりやすいので注意が必要です
■ 網膜剥離
目の周りの湿疹がかゆくて、こすったり叩いたりすると
網膜剥離になるケースがあります
アトピー性皮膚炎では網膜自体が弱いとも言われています
網膜剥離の主な前触れを紹介します
・視界が狭まる
・目の前にヒモのようなものが飛んで見える(飛蚊症)
・いつもより陽射しがまぶしく見える
これらの兆候があったら眼底検査をすることをお勧めします
また、目の周りが痒くても強く掻かないようにしましょう
■ 白内障
白内障は目のレンズの役割をしている水晶体が濁る病気です
白内障も網膜剥離と同様に目の周りの湿疹が痒くて
掻いたりこすったりが原因といわれています
網膜剥離と比べ、強くこすっていないケースでも発症することから
アトピー素因が強い人がなりやすいのではないかという説もあります
■ 円錐角膜
円錐角膜は角膜の中央部が尖るように薄く円錐状になります
角膜が不均等にゆがんだり、乱視ぎみになります
眼科で進行を抑える専用ハードコンタクトを作り進行が
止まるようにしていきます
ここで紹介した、主な合併症の症状が該当している場合は
早めに医者に診てもらうようにしましょう