ステロイド外用薬(塗り薬)の副作用に不安を持つ人は
多いですが、その前に、正しい塗り方が守られていない
事実も多いって知っていましたか?
副作用を防ぐ薬の塗り方で、けっこう見落とされがちな
ことがあるのですが、いったい何だと思いますか?
それは、塗る順番です
複数のステロイド軟膏を渡された場合に、特に気を付けたい
ポイントとなります
皮膚科で処方された、ステロイドの塗り薬が1種類じゃないことが
ほとんどですが、その理由は、症状の違いや、塗る皮膚の厚さの
違いに合わせて、適切な外用剤が選ばれるからです
まずは、症状が違って2種類のステロイドを処方された
パターンの塗る順番を説明します
皮膚が剥がれてジュクジュクな部分に出された強いステロイド
なんとなくガサガサしている部分に出された弱いステロイド
このように処方されたとします
この組み合わせの場合の塗る順番で守るべきことは
弱い薬から先に塗るということです
重症部につける強い薬を先にベタッと塗り広げてはいけません
weakなどの弱いステロイドを塗り広げておき、その上から
強いステロイドを酷いところだけ、スポット的にチョンチョンと
重ね塗りするのです
強いステロイドを使うときは、他の部分に付かないように
しましょう
別のパターンもあります
症状が皮膚の厚めな腕と、皮膚の薄い顔に出ている場合は
どうでしょうか?
腕用には強いステロイド、顔用には弱いステロイド
このように処方されたとします
この場合の塗る順番は、顔が先です。腕が後となります
顔から体に塗り進める・・・弱い薬から先に塗り、強い
ステロイドは後に塗るべきです
皮膚の薄いところから塗り、皮膚の厚いところを最後に塗ると
いうように思っていただいてもよいかと思います
顔用の弱いステロイドが体についても心配ないですが
体用の強めのステロイドが顔に付くとトラブルになることが
あります
顔の皮膚は薄いために、体より副作用が数倍おきやすいのです
顔は、体の後に、ゆっくり丁寧に塗ろう・・・なんて考えて
体から先に塗ると、体用の強いステロイドが、塗った指に
残ってしまいます
そして、その指が皮膚の薄い顔に触れてしまうことにより
皮膚が弱っている人は、顔が赤く腫れてしまう前例も
あるのです
■薬を塗る順番で気をつけることは下記の3つです
・弱い薬から強い薬の順で塗る
・顔や首すじなどの皮膚の薄いところから先に塗る
・皮膚の厚いところを最後にする
誰かに塗ってあげるときも、顔を塗るのは先にしてあげて
ください
そして、強いステロイドを塗り終えた後、そのままの指で
自分の顔に触れないようにするためにも、すぐに石鹸で
手を洗い、指に残ったステロイドの成分を落とすように
しましょう