目の周りにプロトピックは使える?ステロイドを塗ってはいけない場所

目の周りの皮膚が赤く腫れていて痒みが治らない・・・

皮膚科で出された薬は「プロトピック軟膏0.1%」でした。
ステロイドには副作用があるのは知っているけど、このプロトピックは本当に大丈夫なのでしょうか?

顔に塗っても大丈夫?もう少し、この薬のことを知っておきたいですよね?

このプロトピック軟膏は日本で開発された薬で、正式には「タクロリムス軟膏」といいます。

ヘルパーT細胞及び肥満細胞に働きかけ、免疫を抑制することでアレルギー反応を抑えようとする作用があります。

効き目はステロイド外用薬のⅢと同じ程度とされています。
ステロイド塗り薬のように毛細血管を拡張させたり、皮膚を薄くするといった副作用がないのが大きな特徴です。

プロトピックは、ステロイドと比較すると分子レベルで大きいです。

その大きさは2倍以上あります。これが何に効いてくるかというと、皮膚への吸収性が違うということにつながってくるのです。

砂こし器(ふるい)にかけると大粒なものはとどまり、網の目より小さいものは通過しますよね?そんなイメージを頭に描きつつ・・・。

説明を続けますと・・・

皮膚のバリア膜が破壊された状態ですと、肌の表面が荒れており、粒子の粗いプロトピックでも通過し、よく吸収されます。

その一方で、正常な肌の場合は肌の表面が整っていると、プロトピックは通過することができず吸収されにくいのです。

なので、塗り続けていくうちに皮膚の状態が良くなってきたら、自然に吸収されることがなくなるので、長期的に使っても比較的安心な塗り薬といえるのです。

ステロイドだと副作用が出やすい顔や首の湿疹にも使える塗り薬なのです。

■プロトピックは主にこんな方におすすめです

・長期間ステロイドを使ってきて副作用が出ている人
・ステロイド薬が効かない人
・ステロイド薬を使いたくない人

なかには、プロトピックを塗ってもぜんぜん治らない・・・という人もいます。

そういう強い皮膚炎の場合は、一度ステロイドで炎症を抑えてやるほうが効果的です。

まずは患部の湿疹に合った強度のステロイドを短期間使用し、炎症をある程度抑えます。その状態になったら副作用の出にくいプロトピックに切り替えていきます。

このようにステップ式の治療方法を行えば炎症も治まります。

■塗り始めはヒリヒリします

プロトピックは塗った際にかなりヒリヒリして、2~3日間は『ほてり』やヒリヒリ感、滲みるなどの『痛み』を感じます。
特に目の周りのように薄い皮膚ならなおのことです。

このヒリヒリや痛みに耐えられず、治療途中で挫折する人もいます。
これらの違和感は2~3日間から1週間ぐらいで治まります。

医者から、このヒリヒリについての説明が不十分なケースもあるようです。
「ヒリヒリするけど、2~3日間から1週間ぐらいで治まりますよ」と、説明が無い状態でヒリヒリしたら、慌ててしまいますよね?

この期間をガマンすると、症状は確実によくなりますから、あきらめずに使ってみましょう。

■塗ってはいけない状態や部位があります

副作用が無いからといって安心して、痒い部分ならどこでも多用してはいけません。

■プロトピックは次に挙げる症状・部位には塗ってはいけません

・引っ掻き傷やジクジクした部分
・おできやにきび
・粘膜や外陰部
・妊娠中の人

また、目の周りは皮膚がとても薄いですし、目の粘膜に入ると良くないので
塗らないほうがいいです。

一時的に少量ならいい?

それでもまぶたがヒリヒリし刺激が強く感じてしまうはずなので避けたほうが懸命です。

目の周りが痒くて掻いてしまい、目頭やまぶたが赤黒くなったような状態にも塗ってはいけません。

プロトピックを塗った部分を長時間、紫外線にさらさない注意も必要です。
日に当たらないというよりは、強い日光に当たらないように、という意味合いです。

皮膚がんが発症する可能性があると言われているためです。

レジャーで日焼けの可能性があると分かっている場合は、顔にプロトピックを塗らずに外出しましょう。

痒みが起きた時のしのぎ方ですが、あらかじめ清潔タオルと冷水を用意し、患部を冷やして痒みを抑えましょう。

アトピー紫外線療法をやられている方も、プロトピックは使わないようにしましょう。

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