リバウンドの各段階と症状別生薬の選び方
リバウンドには段階があります。それぞれの段階に合わせた漢方薬を選び適切に使うには、肌の湿疹の状態を見極める必要があります。
特に、むくみがあるかないかで症状の良し悪しが決まるので重要ポイントです。
各段階と皮膚の症状に合う漢方薬の一覧です。
【段階】
急性期
【皮膚の表面の状態】
真っ赤
【むくみ・傷・汁】 ⇒ 【薬名】
むくみ重度、汁ダラダラ ⇒ 清熱剤・逐水剤
むくみあり、汁あり ⇒ 清熱剤・利水剤
むくみあり、汁ほとんどなし ⇒ 清熱剤・利水剤
むくみなし、引っ掻き傷で汁あり ⇒ 清熱剤・去風湿剤
むくみなし、汁なし、引っ掻き傷なし ⇒ 清熱剤・亜急性期
【段階】
亜急性期
【皮膚の表面の状態】
くすんだ赤でカサカサ
【むくみ・傷・汁】 ⇒ 【薬名】
むくみ重度、汁ダラダラ ⇒ 清熱剤・磁陰剤・逐水剤
むくみあり、汁あり ⇒ 清熱剤・磁陰剤・利水剤
むくみあり、汁ほとんどなし ⇒ 清熱剤・磁陰剤・利水剤
むくみなし、引っ掻き傷で汁あり ⇒ 清熱剤・去風湿剤
むくみなし、汁なし、引っ掻き傷なし ⇒ 清熱剤・磁陰剤
【段階】
慢性期
【皮膚の表面の状態】
赤黒くてカサカサ
【むくみ・傷・汁】 ⇒ 【薬名】
むくみなし、引っ掻き傷で汁あり ⇒ 清熱剤・去風湿剤・駆お血剤
むくみなし、汁なし、引っ掻き傷なし ⇒ 温清飲・去風湿剤
【段階】
回復期
【皮膚の表面の状態】
ほのかに赤くカサカサ
カサカサ
【むくみ・傷・汁】 ⇒ 【薬名】
むくみなし、汁なし、引っ掻き傷なし ⇒ 弱い清熱剤・磁陰剤・駆お血剤
むくみなし、汁なし、引っ掻き傷なし ⇒ 磁陰剤
■リバウンドに効く生薬の種類
それぞれの薬の役割説明をします。
・清熱剤
消炎剤、皮膚の赤みをとる。
・利水剤
真皮から皮下脂肪にたまった余計な水を血管に戻し尿からの排泄を促す。
むくみを止めたり、むくみに伴う湿疹のジクジクを改善したりします。
・逐水剤
よけいな水を血管に戻し、尿と便として排泄を促すので、むくみを止めたり、むくみを伴う湿疹のジクジクを改善する。
・去風湿剤
ひっかき傷に汁または血液がにじみ出ているような状態で、表皮に余計な水がたまっている状態を改善する。
・磁陰剤
皮膚表面に潤いを与える、飲む保湿剤。
・駆お血剤
毛細血管から静脈の血めぐりをよくすることにより象の皮のように、硬くなった皮膚を柔らかくしたり患部に他の有効な成分を運ぶ役割をする。
■湿疹の状態見極めポイント
・皮膚表面の赤みの度合いは、どの状態か?
(真っ赤、ややくすんだ赤、赤黒い、ほのかに赤い)
・皮膚表面のカサカサの度合いは?
・まぶたや湿疹部のむくみの有無は?
・ひっかき傷の有無と状態は?
(ひっかき傷から汁がにじみ出ているかどうか)
一般の化粧品において保湿成分の優れたものの代表にはセラミドがあります。
飲むタイプではセラミドのサプリメントもあります。
一方、漢方薬では上記のような飲む保湿剤である「磁陰剤」というものがあります。
漢方薬の強みは組み合わせで作れる為、治療の幅が広いところです。
漢方薬は悪いところだけに対応できる安全な薬でもあるのです。
薬代はやや高くつきますが、副作用がないことを考えれば、それは安心代として帳消しにできる点だと思います。