ステロイド依存症が起こるメカニズムとは?
アトピーの炎症を抑えるのに劇的に効くステロイド剤
患部に塗って消炎作用を含む4つの働きを終えたら
体内にとどまり酸化され「酸化コレステロール」という
カスになります
酸化された度合いにより排泄経路が異なります
少ない場合⇒尿で排泄
多い場合⇒肝臓で処理されて大便で排泄
酸化の度合いが多い「酸化コレステロール」が過剰にできると
肝臓が処理できずギブアップします
処理できなかったものは血管の中や皮下脂肪にたまります
私たちの体内で自然に作られる「副腎皮質ステロイドホルモン」は
脳のセンサーにより、常に一定の濃度になるようバランスを
整えてくれ、ほぼすべてが尿で排泄できるのです
そのため過剰にたまることは無いのです
しかし、ステロイド外用剤は皮膚や毛穴から体内に
よく吸収されるため、多量だと処理が追いつかず蓄積され
濃度のバランスを崩してしまいます
ステロイド剤のカス=酸化コレステロール
これが依存症を起こすきっかけとなるのです
■ステロイドを塗り続けるはめになる2つのわけ
①酸化コレステロールは炎症を起こす物質です
先ほど述べたように、肝臓で処理ができなかった分は
皮下脂肪であったり、血管の壁に蓄積されるのですが
蓄積された場所で炎症を起こすのです
この状態を「酸化コレステロール皮膚炎」ともいいます
その炎症を抑えるために、ステロイドを塗りますよね?
新鮮なステロイドの消炎作用のほうが、カスが起こす
炎症作用より勝るので痒み・炎症はすぐ治まります
でも、しばらくするとまた炎症が起きるという繰り返しが
おきるため、ステロイドを塗り続けるはめになります
②酸化コレステロールには交感神経を刺激する作用があります
その作用により顆粒球という白血球が増えて炎症を悪化させます
これら2つが重なり症状がさらに悪化するわけです
この状態になると、今使っているステロイドでは効かなくなります
より強いステロイドを塗ることになります
この悪循環の状態が「ステロイド依存症」といわれるものです
ステロイド依存症になる前に気づくためには何に気をつければ
いいのでしょうか
ステロイド剤の効き目が悪くなってしまった・・・
以前と比べ、塗る範囲が広くなってきている・・・
こうなったら危険信号です!