私たちの皮膚の表面にはいつも菌がいます
いつも色々な異物が存在します。
これらが体の中に侵入しようとするのを食い止めているのが皮脂膜です。
皮脂膜は、皮脂腺から出る「皮脂」、汗腺から出る「汗」、毛根を包む部位(毛のう)から
分泌される「分泌型IgA」からできています。
人の肌の防御壁でありバリアーのようなものと思えば分かりやすいですね。
皮膚の内側の水分を蒸発させない大切な役割もしています。
健康な状態の肌であれば、水をパッとかけると弾きます
冬など、自分で分かるほど肌が乾燥しているときは、水は弾かれずにスーッと吸収されるのが目で見て分かると思います。
肌が乾燥していると、肌表面の脂が無い状態となります
皮膚の表面で菌や汚れから守り、内側では水分の蒸発を防ぐのが皮脂膜の役割です
アトピー性皮膚炎の皮膚は皮脂の分泌が少ないため、もともと皮脂膜が薄いといわれています。
そして、もうひとつ一般の人より少ないのがセラミドという脂質です
角質細胞同士をつなぎ合わせる働きをしています。
この角質細胞はアミノ酸や尿素を含んでいます。
セラミドが少ないと内部の水分を逃しやすく乾燥しやすいので、肌外部からの菌や異物を侵入しやすくしてしまうのです。
また、セラミドが少ないと皮膚表面に細かい凸凹ができて、ざらつく感じになります。
肌がざらつくと汚れや汗がたまりやすくなります。
アトピーの肌は敏感肌です。
皮膚が乾燥しやすく痒くなってしまいやすいのは、皮脂膜が薄くセラミドが少ないことによる
バリア機能の低下が原因なのです。
アトピーのスキンケアは、この皮脂膜とセラミドのケアがとても大切ということになります。